「えっ、本当に辞めちゃうの?」
「もったいないよ、せっかく先生になったのに……」
2026年3月末。
長年勤めた教師の仕事を退職し、家族5人で海外へ移住すると伝えたとき、周りの方々からはたくさんの驚きと、心配の声をいただきました。
正直に打ち明けると……いま、めちゃくちゃ怖いです!(笑)
長年慣れ親しんだ教壇、毎月決まった日に振り込まれるお給料、そして「先生」という社会的な肩書き。それらを手放す日が近づくにつれて、夜中にふと「本当に大丈夫かな」と足がすくむこともあります。
それでも、私たちが「安定」という切符を返上してまで、未知の世界へ飛び出す決意をしたのには理由があります。
娘に聞かれた、「宝くじが当たったら何したい?」
共働きでフルタイム、3人の子どもを育てる毎日は、まさに戦場です。 時間に追われ、ヘトヘトになり、可愛いはずのわが子に「早くして!」と叫んでしまう。
そんな日々のなかで、ふと立ち止まる瞬間がありました。
「あれ? これが私の本当にしたかったことだっけ?」
そんな時、娘から無邪気に聞かれたんです。
「ママ、パパ! 宝くじが当たったら何したい?」
私たちは冗談まじりに答えました。
「そりゃあ仕事を辞めて、海の綺麗なところで家族とのんびり過ごしたいな」
すると娘は、不思議そうにこう言ったのです。
「……それ、今はできないの?」
言葉に詰まりました。「だって今は仕事があるし、お金も必要だし……」と言い訳を探そうとしたとき、ある物語が頭をよぎりました。
「しあわせな漁師」が教えてくれたこと
ドイツの作家ハインリヒ・ベルが書いた『しあわせな漁師の話』。

南の島で昼寝をしている漁師に、エリートビジネスマンが「もっと働いて、会社を作って、大金持ちになれば、引退して南の島で家族と昼寝ができるぞ」とアドバイスします。
漁師は静かに笑って答えました。 「それ、今僕がやっていることじゃないか」

私たちは「いつか」幸せになるために、今この瞬間の幸せを後回しにしているのではないか。娘の言葉とこの物語が重なったとき、私の中で何かが弾けました。
「やりたいことを後回しにするのは、もうやめよう」
子どもたちの瞳
実は、昔から海外には興味がありました。バックパッカーとして一人旅を楽しんでいた私と、そこに連れ回されていたパパ(笑)。
その憧れが「確信」に変わったきっかけが、昨年の大阪関西万博でした!
色鮮やかなパビリオン、飛び交う異国の言葉。そこで目を輝かせる子どもたちの姿を見たとき、親である私たちの心も一緒に震えたんです。
「もっと広い世界を、この子たちと一緒に見てみたい」 「世界の面白さを、肌で感じたい!」
日本の教育現場にいたからこそ、外の世界にある「まだ見ぬ教育」や「多様な生き方」を自分の目で見てみたいという想いが、抑えきれないほど膨らんでいきました。
「安定」よりも手に入れたかったもの
30代。
守るべき家族がいて、リスクはもちろんあります。
退職金や社会的信用……それらを捨ててまで、なぜ行くのか。
それは、「家族との濃密な時間」と「一生モノの体験」が欲しかったからです。
安定した毎日は心地よいけれど、どこかで「このまま同じ毎日を繰り返すだけでいいのかな?」という違和感がありました。
「いつか」なんて言っていたら、きっと一生行かない。
だからこそ、ダラダラ過ごすのではなく期間を決めて、全力で駆け抜けてみることにしました。
もちろん、海外生活は日本のようにスムーズにはいかないはずです。
かっこいいことばかりじゃなく、泥臭いリアルも全部出していこうと思います!
「やりたいことがあるなら、一度きりの人生、やってみてもいいよね!」 そんな風に、読んでくださる方の背中をちょっとだけ押せるような場所にしていきたいです。
フィリピンの熱気と、私たちの無謀で愛おしい挑戦の記録。
ぜひ、一緒に楽しんでいただけたら心強いです。
これから、どうぞよろしくお願いします!
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